「検定外教科書」プログレス(英語)について、その歴史から特徴を考えてみましょう

英語教科書プログレスとは?

History

イエズス会のミッション・スクール六甲学院(神戸)や泰星学院(福岡)で35年間に渡って教鞭を執ったロバート・M・フリン氏が、1960年代の後半までにBOOK1〜BOOK6を編纂したのがいわゆるプログレスの発祥で、現在の出版元(エデック)が「イエズス会」を名乗るのはそうした歴史が背景にあるからです。
その歴史を知るとプログレスを採用する学校にカトリック系が目立つのも頷けますね。
プログレスは難しい教科書なの?
フリン氏の情熱が傾けられたプログレスですが、やはり誰もが難しいと感じます。
それもそのはず、プログレスのコンセプトは「BOOK1〜BOOK3で基本的な文法を網羅する」ことにあり、仮にこれを3年間程度で修了すると一般的な検定教科書の1.5〜2倍前後のペースになってしまうのです。
ですから本質的には「難しい」のではなく、「情報量があまりにも多い」ことで負担感が大きくなっているのだと思います。
プログレスの教科書内容は昔から変わっていないの?
基本的なコンセプトは変わっていませんが、少しずつ改訂を繰り返し、
PROGRESS IN ENGLISH
  → NEW PROGRESS IN ENGLISH
      → PROGRESS IN ENGLISH
という名称変更を伴う改訂を経て、2003年、装い新たに「プログレス21」が誕生。このときBOOK1〜BOOK5の5巻構成に変更され、伝統的な6巻構成が終了。
2011年には説明や問題配置の見直しを目的として「プログレス21 Revised」へと改訂され、多くの学校で切り替えが始まっています。

ただ、現在でも「プログレス21」ではなく「PROGRESS IN ENGLISH」を使い続けている学校も散見され、改訂と各学校での採用状況が必ずしも一致していない点は特徴的です。
教科書イメージ